クロックディンパオ(ครกดินเผา)

使用頻度第2位の「臼」

タイ料理を作るにあたって「あったら便利」な台所道具、それは「臼」です。「臼」はタイ語で「ครก(クロック)」と言います。

使用頻度が一番なのは、ペースト作りや、タイ料理で炒め物を作る際のスターターとも言えるニンニクやプリッキーヌを叩き潰す際に使用する石製の臼。次に私がよく使うのはこちら、陶器の臼、「クロックディンパオ」です。

「ディンパオ」を分解すると「ดิน(ディン)」は「土」、「เผา(パオ)」は燃やす。つまり直訳は「土を燃やした=素焼き」ということになります。「陶器」は「土を燃やす」か、なるほど。こういう表現の違いが面白い。

それはさておきこちらのクロック、日本では「ソムタムクロック」なる名称で売られているのを目にします。


このように呼ばれる理由は簡単で、各種ソムタムを作る上でこのクロックが非常に便利だから。プリッキーヌやニンニク程度であれば石臼を使用した時と変わらず、食材をしっかりたたくことができる上に、この深さ。たくさんの食材を入れて叩いても、中身が飛び散ることがありません。結構な大きさがあるので場所は取られますけどね。でも道具好きなタイ料理マニアとしては買わずにいられなかったアイテムです。

「ソムタムタイ」を作ってみよう!

いつもお世話になっている八百屋さんで、宮崎産の青パパイヤ発見!しかもちょうど良いことに、こうして半分にカットされたものが売られていました。それをメインにインゲン、にんじん、プチトマト、干しエビ、ピーナッツなどなどを準備。そしてマナオ(タイの柑橘)の代わりにへべす。ほぼ完璧な材料が揃いました。それでは早速、「クロックディンパオ」を使って「ソムタムタイ」作ります!

まずはニンニクとプリッキーヌを叩きます。
お次はインゲンと干しエビ、ピーナッツを入れてタムタム。
続いて調味料とへべすを絞りながらクロックの中へ。
ココナッツシュガーが溶けきるまで食材を潰しすぎないよう叩き混ぜます。
最後に残りの材料を加えて、そこから食材を返すように
ざっくり混ぜつつ軽く叩けば完成!

ということで、たっぷり4人前の「ソムタムタイ」ができあがりました。

しっかり辛くてしっかり甘い、タイならではの味です。

おうちで「ソムタムタイ定食」。

イサーン発祥のソムタムタイ。本来、もち米と合わせればもっと美味しいのですが、この日はジャスミンライスでよしとしました。

なんとまぁ艶やかなこと。そしてこの日、このソムタムに合わせたのはこちら。

東新宿にあるアジアスーパーストアで買ってきたサザエ入りのカレー。

週末になると、レジ周りに週替わりでいろいろなタイ料理が並びます。巷のタイ料理屋さんでもなかなか置いていないような珍しいタイ料理があることも多く、それを楽しみに、最近は土曜日にお邪魔する率高めです。

お店の方に伺ったところ、こちらはタイ中部のお料理だそうです。「ハイゴショウの葉」は「バイチャプルー(ใบชะพลู)」のこと。こんな風に煮込んでも食べるのねー。

…と話が広がってしまいましたが、今回はソムタムを作るにあたってなくてもできるけれどあったら便利な「クロックディンパオ」のご紹介でした。