「ムーパロー」「カイパロー」正解はどっち?
この「パロー」というタイ料理、食べると日本の「豚の角煮」そっくりです。おそらくどちらも中華料理からきているためと思われます。
五香粉を加えるレシピ、ホールの八角やシナモンを加えるレシピなど、そのレシピによって加えるスパイスが様々なら、味付けもこってり&しっかり甘いもの、甘さ控えめでさっぱりと食べられるものなど、とにかく作り方のバリエーションが豊富な「ムーカイパロー」。食べる人の数だけレシピがありそうなタイ料理です。
そしてこのお料理の呼び方も「ムーパロー」と言う人がいれば、「カイパロー」と呼ぶ人もあり。私は「ムー(豚)」も「カイ(卵)」もどちらも好きだし、いずれが抜けてもこのお料理が成立しないことを考えれば名前に入れないという選択肢はないでしょう!ということで「ムーカイパロー」と呼ぶことにしました。
私が一番好きな「ムーカイパロー」を作る。
とにかく様々な作り方がある「ムーカイパロー」、あれこれ試して私が一番おいしい!と思ったのがこの作り方になります。はじめに小鍋でカラメル液を作り、粗熱が取れたら他の調味料を加えて、そこに下茹でした豚肉を漬け込みます。
時間としては30分以上は漬けておきたいところ。
下味が付いた肉を鍋に移して中火にかけ、
肉が焦げ付かないよう時折上下を返しながら、煮詰めていきます。
調味料が十分に詰まったら水を加えて一度沸騰させ、灰汁を取り除いたら蓋をして1時間ほどコトコト煮込みます。
私は「せっかくだから!」とここで下茹でした大根やら厚揚げやら練り物まで加えてしまいます。もはやおでん。でも、このうまみたっぷりの煮汁を何かに吸い込ませたくて仕方がない気持ち、誰かわかってくれないかな。
ほら、おいしそう。でも日本のおでんや肉じゃが同様、出来上がった熱々をすぐに食すことなかれ。この手のお料理は冷める段階で食材に味が浸み込みます。なんなら沸かして冷ましてを数回繰り返しても良いぐらいです。少なくとも一度は冷まして、温め直したものをいただきましょう!
完成した「ムーカイパローwith厚揚げ練り物」の肉は柔らかすぎて歯を必要としません。
こちら、完成した「ムーカイパロー」です。
じっくり煮込まれたお肉はこのとおり、箸で軽く押さえただけでホロホロと崩れます。最高。味はさっぱりした中にも深みがあり、甘みもしつこ過ぎず丁度いい。今のところ、これがベストレシピです。
天下の「味の素」と「電鍋」のお世話になり、ほぼ手をかけない「ムーカイパロー」というのもあります。
日本にも「〇〇の素」ありますよね。スーパーに行けば通路一つ分がこういった「素」コーナーだったりします。タイ料理も同様で、こういった手軽にそれぞれのお料理を作れる「素」がたくさんあるのです。
ちなみにこれは天下の「味の素」が作っているパローパウダー。
まず鍋に豚かたまり肉と大根と水を入れて火にかけ、沸騰したら灰汁を取り、その後で「パローパウダー」を加えます。
あとは簡単。こちら台湾の有名家電「電鍋」ですが、調理はもうこの子任せ。
加熱調理が終わった後も保温されるので、そこでお肉や大根がどんどんやわらかくなっていきます。
茹で卵は最後に加えて、冷める過程で色と味を浸み込ませるのは先の本格レシピと同じ。
調味料を煮詰めていないため、香ばしさはないし、味わいも平坦な印象。でもとにかく簡単なので、できるだけ手間を省きたい方、はたまた料理の味を決めるのがどうにも苦手で…という方にはこのパローパウダーを推奨いたします!