ガピ(กะปิ)

タイの発酵エビ味噌「ガピ」

「オキアミ」というごくごく小さなエビを塩漬けし、発酵させたタイの調味料「ガピ」。このボトルのラベルにあるように「シュリンプペースト」とも言われ、発酵食品ならではの独特な強い香りがします。ただニオウだけではなく天然アミノ酸を含むため、しっかりとしたうまみもあり、タイ料理には欠かせない調味料の一つです。

「ガピ」は東南アジア各国共通の呼び名らしいです。

「ガピ」という言葉はビルマ語の「 ငါးပိ ( ngapi )」に由来するそうで、ビルマ語では「魚のマリネ」的な意味だとか。

さらに、表記は違えどラオス、カンボジア、インドネシアでも「ガピ」と呼ばれているようです。マレーシア、ベトナム、フィリピン、中国の福建省でも呼び名こそ異なるものの、同じ調味料が使われているんですって。これは興味深い。いつか「ガピ」にフォーカスして、ガピを使ったお料理を食べ歩く旅とかしてみたいなぁ。

「ガピ」の代わりに「アンチョビ」か、「アンチョビ」の代わりに「ガピ」か。

さて、この「ガピ」ですが、タイ食材店や、輸入食材を取り扱うお店が近くにあるなら別ですが、普通はなかなか手に入りにくいものかと思います。

以前、あるタイ料理の先生から「ガピが手に入らなければアンチョビで代用してもよいですよ」と教えていただきました。でも、タイ料理を日常的に作る我が家の冷蔵庫には必ずガピが入っています。ということで発想の転換。以来私は、レシピに「アンチョビ」とあったら、その代用品として「ガピ」を使っているのですが、割といけますよ。

ガピはこんなタイ料理に使います。

オキアミの目が見えますね。黒い点々がそうです。このことから、タイ料理好きな友の一人はこのメーカーのガピを「目玉のガピ」と呼んでいます。という超個人的な話題はさておき…。

ガピはタイカレーペーストの原材料の一つです。身近にタイカレーペーストがある方は裏面の表記をご覧ください。他には各種ディップ(ナムプリック)だったり、スープだったり、炒め物に加えることもあります。

個人的に「ガピを使ったタイ料理」と聞いて一番に上げたいのはこちら、料理名にも「ガピ」とあるタイ式の混ぜご飯。ガピの味がほかのどのタイ料理よりも前面に出ていて、かつ美味しく味わえるヒトシナかと思います。激しくお勧めしたいタイ料理です。とはいえ、これを食べることのできるタイ料理店って、なかなかないんですよね(涙)。

私が仕事帰りにサクッとおいしいタイ料理を食べたいときに立ち寄る「ハンサム食堂」さんでは、ごくたまーにこのカオクルックガピを出してくれますので、そのチャンスに巡りあえましたらぜひ、逃さず食べてくださいませ。