バイチャプルーがたっぷり入った南部のカレー
日本でよく知られたタイカレーといえば、間違いなくグリーンカレーでしょう。で、ちょっとタイ料理に明るい人だとレッドカレーやマッサマンカレーなんかを知っていたり。でもタイのカレーの種類はそんなもんじゃありません。
今回紹介するこちらのカレーですが、「レッドカレーペースト」で作るレシピと「クアカレーペースト」で作るレシピとを見かけます。ちなみに、タイのクックパッドをはじめとするお料理サイトで紹介されているものは「クアカレーペースト」を使って作るものが多いように見受けられます。
ちなみに私の持っているこちらの本には、ナムプリック(カレーペースト)から作るレシピが載っていたのですが、材料を見たところ「レッドカレーペースト」でした。
「クアカレーペースト」と「レッドカレーペースト」の違いはざっくりいうとスパイスが入っているか否か。入っているほうがレッドカレー、いないほうがクアカレーです。よって、スパイスの入っていないクアカレーのほうが多少マイルド、と思っていただいてよいかと思いますが、大雑把な味覚しか持たない私自身、果たしてその違いを感じ取れるかどうか…かなり微妙です。
ゲーンプーバイチャプルーの材料
グリーンカレーも実はご飯と同じか、それ以上に麺が相性よし!なのですが、このカレーにも麺がとてもよく合います。具はシンプルに蟹と刻んだバイチャプルーのみ。ちなみに「バイチャプルー」は「ハイゴショウの葉」…と訳されたところで、ほとんどの人にとっては何の説明にもならないかと思います。
この葉を使った代表的なタイ料理の一つに、「ミヤンカム」がありますので、以前書いたこちらの記事をご覧ください。
他はいくつかの調味料とココナッツミルクのみで作れる、という非常にシンプルなタイカレーです。
ゲーンプーバイチャプルーの作り方
作り方はグリーンカレーと同じで、ココナッツミルクの一番搾りを油を引き出すように炒めたらカレーペーストを投入してよくよく火を通します。
他のカレーであれば、次にじっくり加熱しなければならない肉類を炒めるのですが、このカレーの具はバイチャプルーと蟹のみ。
よってバイチャプルーをわっさーっと加えて火を通し、
最後に蟹を加えてさっと火を通せば完成、という手軽さです。
カノムチンはないので素麺でいただきます!
このカレーと相性抜群の素麺をお皿に盛りつけてみた図。ちなみに、こちら撮影のためにかなり量を減らしました。実際は食べたのはこの3倍量です。
繊維質なバイチャプルーは火を通してもしっかりとした歯ごたえがあります。日本の葉物でいうと、明日葉っぽい感じ。ただ、味や香りに癖は全くないので、その点では食べやすいかと思います。
そしてなんといってもこのカレーのおいしさの肝は蟹ですよ、蟹。蟹が入ればあの強烈なうま味で大抵のお料理はおいしくなりますもんね。ということでその例にもれず、こちらのカレーも素晴らしく美味なのでありました。