「日本にいながらタイを感じる」がコンセプトのチャンロイさんにお邪魔。
いつになく桜の開花がゆっくりだった2024年。その桜がちょうど満開となった 4月某日。赤坂にある「チャンロイ」にお邪魔しました。
「チャンロイ」は日本国内にレストラン2店舗、デリカテッセンを9店舗構えるタイ料理専門店です。
私が「チャンロイ」の名を聞いてまず思い浮かべるのはムーグローブ。ムーグローブとは皮付きの大きな豚(ムー/ หมู )バラ肉をその名の通り、カリカリ( クローブ /กรอบ)に揚げた激旨タイ料理。
これがを美味しく作るのはそう簡単ではないということを、以前タイ料理教室で習った私は知っています。
何が難しいって、皮を大きく美しくはじけさせるのが至難の業。それなのに、チャンロイさんはどの店舗を覗いてみても、ムーグローブの皮がパッチパチに弾けまくっているのです!
今回はそのチャンロイ式ムーグローブの作り方を見学するチャンスをいただき、タイ料理好きな友人二人を引き連れて 「チャンロイ赤坂アークヒルズ店」に行って参りました!
ムーグローブの前にまずは気になるお料理をいただきます。
お目当てのムーグローブを揚げにかかるまで少し時間があるということで、それまでの間に気になるお料理を2品ほどいただいてみました。こちらはシーフードのタイ式炒め。海老、以下、ホタテ、そら豆、青菜、パプリカ…などなど、たくさんの食材が使われています。
これはご飯が欲しいな。
そしてこちらは鶏肉とクワイの甘辛炒め。クワイのシャクシャクした食感がたまりません。味付けも絶対ごはんに合う仕上がり。
ということで、「ムーグローブと一緒にご飯も出しますよ!」と言われていたにも関わらず、「もうこれは我慢ならん!」とこの時点で米をオーダーさせていただきました。
魅惑のムーグローブはこうして作られていた!
さて、いよいよ待ちに待ったムーグローブの登場です。このお料理は大まかにいって
- 「蒸す」または「茹でる」
- 「焼く」
- 「揚げる」
この3つの工程を経て完成します。この日揚げるお肉は前日に蒸しておいたものをオーブンで40分以上焼き、それから揚げるとのこと。上の写真はオーブンで40分以上焼かれた揚げる直前の豚肉です。
ご覧の通り。オーブンで焼いただけだと皮は皮のまま。美しいきつね色にはなっていますが、プルンとしたゼラチン質な感じが写真からも伝わってきます。このかたまり肉を揚げ油の中に入れ、皮の表面に油を回しかけながら揚げていくと皮が変化し始めるのです。その様子をこちらの動画(2倍速)でご覧ください。
プクプクと膨らむ皮。自分で揚げた時にはほとんど膨らまなくて、ただただ皮が固くなっただけで終わったのに、プロの手にかかるとこんなにも美しく弾けるのね。
皮の弾け具合を見ながら揚げていくシェフのジャックさん。
はー、美しいです!
そして。大事なのでもう一度言いますが、チャンロイはどの店舗のムーグローブを見ても仕上がり完璧なのです。
この芸術的美しさ、お店でぜひぜひご覧ください。シェフのジャックさん、この度は貴重な工程を見せていただいて、本当にありがとうございました。
ムーグローブはそのまま食べても良し、メイン具材として料理に入れても良し、です。
揚げたて熱々のムーグローブがテーブルに運ばれてきました。上の工程を見ていただくとわかるように、ムーグローブはいわゆる「素揚げ」です。知らない人が見たら、衣のように見える表面のカリカリは皮です。そして、かなりの時間様々な形で加熱しているにも関わらず、ジューシーさをキープした豚肉。素敵。
実際に食べてみると、その美味しさたるや悶絶級です!皮のパリパリ具合にお邪魔した3人そろって大興奮。豚肉は食感が良いだけではなく、脂からは甘みもしっかり感じられて最高!これは揚げたてだからこそ味わえる美味しさだなー。
しかもパクチー入りだというナムチムがまた美味しい。友人はこのナムチムをご飯にかけて食べてました。それぐらい美味しい。
お次はカレー風味の炒め物に仕上げたバージョン。これもまた美味。しっかりめの香辛料の味と香りをまとってもなお、ムーグローブの良さは健在でした。
ムーグローブの楽しみは続くよ翌日も。お持ち帰り編。
こちら、持ち帰り用にしていただいたムーグローブ。もちろんそのまま食べても良いのですが、私はこのムーグローブにひと手間加えて、ボリュームアップと栄養価アップを狙います。
このムーグローブと一緒に季節の菜花を炒めてみました。こうしてみるたいした量が入っているようには見えない菜花ですが、実は1人前に100gも入っています。緑のお野菜、大事。
チャンロイはこだわりいっぱいのタイ料理店でした。
こちら、帰り際にいただいた広報誌。
呼んでいると使っている野菜に対するこだわりや、その生産者さんのこと、美味しくて安全なお野菜を作るために試行錯誤する様子が伝わってきます。合わせて日本の食卓に本物のタイ料理を届けたいというオーナーさんの思いも強く感じられる内容でした。
最後に。ムーグローブに続き増えてしまったチャンロイの私的お気に入りがこちら。レジ前に置かれたショップオリジナルのマンゴー入り黒糖です。
黒糖の穏やかな甘み、その黒糖の風味を決して損なうことなく、絶妙なバランスで加えらえたマンゴー、これがむちゃくちゃ美味しいのです。一つ食べたらとまらなくなり、大事に食べよう!という気持ちはどこへやら。袋を開けたその日のうちにすべて食べきってしまいました。これはまた買いに行かなきゃ。
チャンロイさんのレストランはもちろんですが、お惣菜を販売するデリカテッセンも美味しいものがたくさん並んでいるので、ぜひぜひ行ってみてください。
最後にもう一度、大事なので繰り返しますがムーグローブ!お勧めです。