パクチー(ผักชี)

タイ語で出回る香味野菜「パクチー」

「コリアンダー」「香菜(シャンツァイ)」という名前でも出回ってはいますが、日本では「パクチー」という呼び名が最も浸透しているのではないでしょうか。この「パクチー」、実はタイ語由来です。

もっとも、タイでは 「パクチー」と言っても分かってもらえない確率大。 「パッ(ク)チー」や「パッ(ク)シー」と発音した方が通じるかもしれません。

そして発音以上に異なるのがタイ料理におけるこのパクチーの使い方。日本では東南アジア系の麺料理屋さんなどに行くと、「パクチー食べ放題」なんて書いた紙が壁に貼ってあって、カウンターには山盛りのパクチーが置いてあったりします。

そのためでしょうか。タイ料理をよく知らない人の中には「タイ料理=パクチー必須」と思っていらっしゃる方が割といて、「私、タイ料理苦手なんですよね。パクチーが駄目で。。」という台詞を聞くこともしばしば。

結論から言うと、タイ料理において、パクチーは全くもって必須ではありません。パクチーの入らない料理もたくさんあります。和食で薬味として登場するネギや大葉よりはやや登場頻度が高めかもしれませんが、その程度です。

「パクチーは嫌いでも、タイ料理は嫌いにならないでください!」

「葉」より大事な「根」。

パクチーの葉でいうと、むしろタイ料理よりインド料理の方が良く使うかもしれません。パクチーの種である「コリアンダーシード」もしかり。

で、タイ料理は…というと、葉よりもこの根が重要!そのことはタイ料理を習うようになって知りました。この根をどんな風に使うかと申しますと、石臼で叩き潰して各種料理に加えます。

例えばこれ。

こちら、タイ語で 「サンクルー( สามเกลอ )」 と呼ばれるもの。日本語に訳すと「三人の友達」とか「三人の仲間」という意味になります。肉に下味をつける際よく用いられるのですが、白胡椒、ニンニクとパクチーの根をペースト状にしたものです。

これを豚挽肉に練り込んで、シーズニングソースでちょっと味付けした肉団子とか、汁物に加えたら最高ですよ!他にもいろいろ使えるので、パクチーを買ってきたらまず根を確保。きれいに洗ったらしっかり水気を拭いて、1本1本ラップで包んで冷凍、もしくはこうしてペーストにしてしまい、1回分ずつ小分けにして冷凍がパクチーを仕入れてきた日のルーティーンになっています。