朝の幸せ、カノムチン屋さんへ

朝の爽やかな空気の中、「Khanom Chin PA Mai」というお店に向かいました。店先においしそうなものがずらりと並ぶ光景は、まさにタイ食堂の醍醐味!カウンターに何種類ものゲーン(カレー)が並び、テーブルの一つには「カノムチン」を盛った皿が山積みされています。

カノムチンとは?
カノムチンは、米を発酵させて作った麺で、見た目は日本の素麺にそっくりですが、米粉が原料。タイでは昼も夜も食べられているとても人気の料理で、好みのカレーやタレをかけて食べます。

お店の人に聞くと、カレーは2種類まで選べるとのこと。テーブルの上に並ぶお野菜は基本無料で食べ放題!卵だけは有料ね、と店員さん。これはタイ食堂あるあるですね。サブメニューとしては唐揚げが人気のようで、みんな次々に頼んでいきます。お店のお姉さんも「うちのから揚げ美味しいんだから」と推してきます。

私がバナナの葉包みを見て「それホーモック?」と尋ねると、お姉さんの目がキラリと光りました。「ホーモック知ってるの?好き?じゃあ絶対うちの食べてみて!」自信たっぷりの表情に、期待が高まります。
席に着くと「飲み物は冷蔵庫から選んで取ってね」とのこと。これもタイ食堂の定番スタイルです。
選んだのは王様のカレー

選んだゲーン、1種類目は「カノムチンナムヤータイ」。「ナムヤー」は日本語にすると「薬の水」「薬膳ダレ」といったところで、たくさんのタイハーブが入っています。まさに体に良いことこの上なし、な一品。
もう1種類は「カノムチンナムヤーガティ」。どちらも魚ベースの優しい味わいで、朝から体が喜ぶ美味しさでした。


そして何よりも感動したのは、テーブルの上の豪華さ!新鮮なハーブが山盛りで、いくら食べてもいいなんて、幸せ過ぎるし体に良すぎます。
自信作のホーモックに感動

お店の方が自信満々だったホーモック、お姉さんの言葉に偽りなし!本当に美味しくて、「修行させてほしい」レベルの絶品でした。朝から良いものをいただけて、心も体も満たされます。

店頭には他にも軽食がずらり。来るお客さんみんな、思い思いのものを買っていく光景を見ていると、こんなお店が近所にあったら嬉しすぎるなと思わずにいられません。
朝の街歩きとカフェタイム

朝ごはんが終わって8時になりました。とはいえ、いろいろな施設、お店がオープンするには早すぎる時間。まだ気温も上がっていないので、静かな街を散策することにしました。食後のコーヒーを飲める場所を探してぐるり一巡りしましたが、なかなか「ここ」という場所が見つからず。

結局朝ごはんを食べた食堂の目と鼻の先にある「The 5th Element – Phuket」に入りました。

店内に入ると窓越しに美しい邸宅が見えます。ちょうどその家に関する説明が掲載された本があり、読んでみると、どうも古いポルトガル様式の建物のよう。

プーケットにはこの手の有名な邸宅がいくつもあるようです。このカフェから徒歩5分のところに個人所有の見学できる場所があることがわかり、オープンの時間を待って、行ってみることにしました。
歴史が息づく「チンプラチャー邸」

【バーン・チンプラチャについて】 バーン・チンプラチャは、個人所有の邸宅で、半分は家で、半分は博物館です。入場料を払うと中に入ることができ、プラナカンと呼ばれた人々のこの100年間の生活がどのようなものであったかをうかがい知ることができます。この家は、映画『天と地』(原題:Heaven & Earth)を含むいくつかの映画にも登場。クラビロードにあり、ブルーエレファントレストランのすぐ隣にあります。


中をじっくり見学していると、オーナーの孫だという女性が「説明しましょうか」と話しかけてきてくださいました。この家は、ポルトガル様式に加えて、2代目がイギリスやイタリア、3代目が中国の様式を取り入れたのだそう。まさに文化の融合を体現した建物です。
🏛 文化が融合した建築美

この邸宅の魅力は、シノポルトギース様式と呼ばれる「ヨーロッパのコロニアル建築」と「中国南部の建築様式」が見事に融合していること。



アーチ状の窓や花柄のタイル、ベネチア風のタイルが今も残る床や壁装飾が美しく、ヨーロッパ製のアンティーク家具と中国から持ち込まれた漆器や屏風が調和しています。吹き抜けの中庭に水が流れる設計はプラナカン文化特有で、通気・採光・排水を兼ねる実用的な美しさに感動しました。
🍳 タイムスリップした素敵な台所

特に印象的だったのが台所です。当時の生活がそのまま残されているような空間で、まるで100年前にタイムスリップしたよう。雰囲気ある道具が美しく並び、陽の光に照らされてキラキラと輝いている姿が本当に素敵でした。



古い食器なども丁寧に配置され、この家で営まれていた日常の豊かさを物語っています。
🏛 優雅な階段と涼やかな中庭の池

2階へと続く階段も見どころのひとつ。階段の裏側(下部)の装飾が特に見事で、細やかな彫刻や模様が施されています。残念ながら階段を上ることは禁止されていましたが、下から見上げるだけでもその美しさに圧倒されました。

そして中庭の池は、水の音が涼やかに響き、熱帯の暑さを和らげる先人の知恵が込められた特別な場所。1階から眺める中庭の景色は、まさに絵画のような美しさでした。
フルーツでひと休み

帰り道、前の晩にその前を通った時から気になっていた果物屋さんに立ち寄りました。タイにしては珍しく大きなお店で、冷蔵庫には剥かれたソムオー(ざぼん)とマムアン(マンゴー)、その他もろもろのフルーツがきれいに並んでいます。


迷わず購入して、いったんホテルに戻ってひと休み。暑いからねー、休憩大事。それにしてもタイは本当に、おいしい天国です。