ベトナムの家庭料理はほっこり優しい味でした。

タイの東側、ラオス、カンボジアを挟んでインドシナ半島東部に位置するベトナム。そこで食されるものはタイ料理と通じるところもありながら、やはりベトナムならでは、の食べ物や食べ方があるだろうと興味が沸き、ベトナム料理研究家の第一人者、伊藤忍先生の元へ行って参りました!

美しい艶と優しい味わいが特徴の「五目玉子蒸し」。

忍先生のお料理は作業の過程も美しい!

まず初めに取り掛かったのは「五目玉子蒸し」なる料理。豚ひき肉、木耳、春雨、卵と具材はシンプルなれど、その作り方で今までに見たこともない美しい玉子料理が完成します。

豚ひき肉は練りませんよ。あくまでもほぐすように下味をつけます。

まずは豚ひき肉にヌックマムをまぶし、下味をつけます。ヌックマムはタイのナンプラーと同じ魚醤。作り方もほぼ一緒。メーカーによって魚の風味の強さや塩辛さが異なります。

卵液を注いでよく混ぜて。
型に入れたら蒸していきます。

してこの玉子蒸し、表面のつやがポイントなのですがその秘密は卵黄にありました。

卵黄ぬりぬり。

中まで火が通ったら、表面に手早く卵黄を塗り、固まるまで蒸していくのです。そうすると…

綺麗な玉子蒸し、完成!

今までに見たこともない美しき料理が完成しました。このテクニックは今までどの国のお料理でも習った事がなかった。しかも簡単に再現できそう!(←ここ大事。)

優秀なごはんのとも、「海老の甘辛煮」。

海老の下処理中。

こちらの海老料理は殻ごとおいしくいただく仕様になっています。よって足と尾の先を切るだけ。

海老を炒めるの図。

その殻付き海老に下味をつけ、しばし置いたら香味野菜の香りを移した油で炒めていきます。

玉ねぎはしゃっきり仕上げ、がベトナム料理なんだとか。

ベトナム式の玉葱の櫛切りの方法なども教わり、炒め加減も含めて、ポイントがいろいろ学べたお料理でした。炒めている時の香りといったら、絶対に日本人も好きな味に決まってる!そんな匂いがプンプン。

山芋の美味しい食べ方発見!山芋とひき肉団子のスープ。

いっけんお粥に見えますが、さにあらず。

最後のヒトシナは山芋とひき肉団子のスープでした。日本のすり流し、のような感じ。タイ料理でもスープに肉団子を加えたものはありますが、こういう食べ方は知りません。これがまた優しい中にも黒胡椒の刺激が効いていて、食べても食べても、すぐにまた口に運びたくなる、そんな癖になる美味しさのスープです。

ベトナム料理の盛り付けもきれい!

幸せの実食タイム。

タイ料理も盛り付けにこだわりますが、ベトナム料理もベトナム流の盛り付け方がいろいろあるようです。

こちら、海老の甘辛煮。

海老はお皿のフチに野菜を美しく並べ、その中央にお料理を盛り付けます。

盛り付けた器もきれい!

五目玉子蒸しも切り方にこだわり、美しくお皿に並べて。

タイではセラドンやベンジャミン焼きといった焼き物が有名ですが、ベトナムにもバッチャン焼きをはじめとして、いろいろある模様。

お料理はというと、タイ料理と同じく、魚醤の他に砂糖もよく使いますが、その味はしっかり目のものもあれば、タイ料理よりもずっと優しいお味のものもたくさん。何より、このレッスンには唐辛子が全く登場しませんでした。あとはタイ料理によく使うハーブ類もなし。タイとはご近所さん…といいながら、習ってみたらやっぱり全然違ったベトナム料理。タイ料理とはまた違う魅力があって、こちらももう少し深めてみたくなってきました。ということで2020年はタイ料理に加えて、ベトナム料理修行も新たに加わることに決定いたしました。楽しみだな。